移り変わり

 

コロナのマスク制限も緩和され、春の訪れとともに開放感を感じられるようになりました。
今月は住まいの変化についてお話したいと思います。住宅は一度建てると50年以上は持つ不動産です。しかし、その間にも暮らし方は変わっていきます。私が住宅産業に関わるようになったこの40年、振り返れば今昔の感があります。

変化の始まりは和室の盛衰、40年前は都会でも一つは和室はありました。目的は実家の親が泊まれるよう、また将来の仏壇を置くスペースとして。地方では日当たりの良い南側に二間続きの和室を作ることも珍しくありませんでした。冠婚葬祭のためのスペースです。必然、家の規模も大きくなりました。 

しかし、自宅での法事や泊まりの来客というニーズも少なくなり、住み手ご家族の普段の使い勝手で間取りを決めるようになりました。

結果、和室を作るお家は少なくなり、建物の面積も小さくなりました。年々の変化はわずかなものですがこうして半世紀近く経つとずいぶんと変わってきたなあと感じます。古い建物でも手入れさえしていればしっかりしています。耐震性や断熱性を考慮に入れて生活の変化に合ったリノベーションが増えているのも頷けます。

ーORINAS MAGAZINE 2023年5月号よりー

芋煮会やめる?!(メイキングストーリー)

「もう芋煮会ではないんじゃないですか、〇〇フェスタとかにしませんか」。昨年秋のこと、私が「来年こそ芋煮会やりたいよね。」といったときの社内での会話。

そんなこんなの企画会議を経てやっぱり地域にこだわったイベントにしようとなり、ちょっとダサいけど「芋煮会」に落ち着きました。どうせやるなら地域の素材を使った味とおもてなしで「西日本一の芋煮会を目指そう」と決まりました。

振り返れば、2004年にスタートして今年で17回目、参加いただいた方は延べ6,000名にもなります。寒い2月の屋外でのイベントのこと、雪や雨にたたられたことも、そんな時でも来ていただいたお客様には感謝しかありません。

今年はコロナで中断して3年ぶりの開催となり、お客様が来ていただけるのか心配していました。ふたを開けてみると550名のお客様にご来場いただき嬉しい再開となりました。職人さん達と社員が準備してきてお客様の笑顔と再会できるこの日は私たちにとっても楽しみな一日なのです。

ーORINAS MAGAZINE 2023年4月号よりー

暖かい地方の寒い家

想像してみて下さい。寒い冬の夜、外の気温は5℃、室内は暖房していて20℃の部屋にいるとします。窓ガラスに手を触れてみて下さい。「冷やっ」と感じると思う方がほとんどではないでしょうか。冬の窓ガラスは冷たいと相場が決まっています。ただし、断熱サッシ、ペアガラスが使われるまでは。

冬に窓から逃げる熱は建物全体の約6割と言われています。古い単板ガラスの建物の場合、そこを改善するだけで随分冷暖房が効きやすい家になるということです。最近の新築の建物は性能の高い窓を採用していますのでこの問題は解決済みですが20年以上前の建物のほとんどは冬冷たい窓のままです。

これは私たち住まい手の快適性の問題だけでなく、CO2削減を国際公約している国にとっても大きな問題です。そこで、すでに建っている住宅の断熱性能の改善のために大きな補助金をつけた政策がこの春からスタートします。窓の性能改善に掛かる費用のほぼ半額を補助金で賄うというものです。 

長年リフォームに関わってきた私にとっても驚きの規模で国の本気度が伺えます。快適性の向上、光熱費の削減、健康リスクの低減とメリットの大きい断熱リフォームの好機だと考えています。

ーORINAS MAGAZINE 2023年3月号よりー

新年のご挨拶

 新年明けましておめでとうございます。旧年中の皆様のご愛顧に心より感謝申し上げます。

 新型コロナもちょっときつい風邪のような扱いになるまであとしばらくの辛抱です。私達は2月には3年ぶりに「芋煮会」を開催します。東北地方発の芋煮会ですが地域の元気を取り戻すきっかけになればと「西日本一の芋煮会」を目指しています。

今年も断熱性能の向上で地球環境と皆様の健康のお役に立ちたいと思います。本年もどうかよろしくお願い申し上げます。

ーORINAS MAGAZINE 2023年新春号よりー

そろそろ芋煮会

リブランディングを機に私達が「地域創生」を掲げたことに注目してくださり和歌山放送さんからラジオ出演のお誘いを頂きました。
11月12日(土)のお昼に「ゲストカフェ」という生放送のコーナーに出演させていただきました。1時間弱の番組で家づくりのことや自分のことをお話しし冷や汗ながらも良い経験になりました。

さて、以前は毎年2月に開催してきたお客様感謝の「芋煮会」ですが、この2年間は新型コロナウィルス感染拡大のため中止しました。最近は公共団体の各種イベントも徐々に開催されつつあるので私達もいよいよ芋煮会を再開しようかと考えています。

東北地方の秋の風物詩である芋煮会を私達が始めたのは20年近く前、(有)三洋メンテリフォームを立ち上げて間もないころでした。
芋煮鍋は里芋の入った豚汁といった素朴な料理ですが寒い屋外で食べると意外と美味しくて体も温まります。今回も和歌山一美味しい芋煮を目指して頑張りたいと思います。

芋煮の味もさることながら地域でのコラボレーションを通して美味しいものを提供できるよう企画中です。
ほっこり温まる芋煮を通じて地域が元気になる催しにしたいと思いますのでご期待下さい(新型コロナウィルスの感染拡大状況によって変更になる場合もありますのでご了承ください)。

ーORINAS MAGAZINE 2023年1月号よりー

50周年記念イベントを開催しました

あんなに暑かった夏も過ぎてしまうとやっぱり秋が来ます。四季のある国は素晴らしいと思います。

10月9日に弊社の創立50周年イベントを開催しました。桂枝曾丸さんの落語でスタート、「紀州」という徳川吉宗公が将軍になったときのエピソードをテーマにした落語で場を和ませてくれました。

和歌山大学観光学部の木川教授には地域の活性化の事例を紹介して頂きながらその方策についての話をして頂きました。

その後、木川教授、枝曾丸さんと私でトークセッション。人口減少等、目の前の現実は厳しいことも多いのですが見方を変えるとまだまだ可能性もたくさんあることに気づくことが出来ます。

私からも今回のリブランディングの一環として「地域創生」への取り組みについての決意表明をさせて頂きました。単に良い家を建てるというだけでなく、私たちの事業を地元の活性化につなげてゆくという意図を持つことで意思決定が変わってきます。それがまた従業員の誇りにも繋がります。

これからも応援頂けますよう、どうかよろしくお願い申し上げます。

ーORINAS MAGAZINE 2022年12月号よりー

この地域に暮らす こたえがある

三洋住宅は1971年に創業しました。
大阪万博の翌年です。
本来は昨年が満50年ですがコロナの影響で記念事業は今年になりました。

また、50周年を機にリブランディングを行います。
2年前に登場した四角いORINASマークは少しは浸透してきたと思いますが、もう一度マークを変更してスローガンを加えます。
今回のリブランディングはマークの変更に留まらずORINASとしての三洋住宅の姿勢を表現するものです。

この会社で実現していきたいことを考えたとき、生まれ育った和歌山の「地域創生」としました。
地域を盛り上げてここに住む皆様が豊かさを感じられるようにしたいという思いです。 

私が地元を再認識したのは30歳代の初め、大阪で勤めていた会社を辞めて和歌山へ帰って来たときのことです。
初夏の里山の雑木に芽が出て、それこそ山がぐんぐん盛り上がってくるように見えて自然のエネルギーを感じました。
10年近くビルの中のオフィスで過ごしてきた私にとってその光景はまことに新鮮でした。
子供の頃から見ていたはずですが、都会で暮らしたおかげで気付いた田舎の魅力です。

ここでこそできる豊かな暮らしを実現することを私たちの役割と考え、わかりやすく表現したのが「この地域で暮らす こたえがある」です。

ーORINAS MAGAZINE 2022年11月号よりー

50周年記念イベント

今年は梅雨が早く明け最高気温が連日35℃と、長くて暑い夏となりました。
エアコンには頼りたくはないと思っていても、生命維持装置みたいなものになっています。

さて、新型コロナのために1年延期しましたが
10月9日(日)に創立50周年の記念イベントをきびドームにて開催します。
和歌山出身の落語家・桂枝曾丸さんの落語、和歌山大学観光学部の木川剛志教授の講演をメインに、地域の発展についてのトークセッションを予定しています。
面白くてためになるイベントにしたいと思います。
地元の可能性の再認識につながる機会にしていただければ幸いです。

 

また、三洋住宅はこの50周年を機にORINASグループとしてリブランディングします。
私たちは新築・リフォーム・不動産とお住まい全般でお役に立てる会社を目指してきましたが、今までやってきたことをきちんと整理して、皆様にわかりやすい形で未来につなげていこうと考えています。

お忙しい時期かと存じますが、多くの皆様のご参加をお待ちしております。
☞イベント詳細・ご予約はコチラ

 

ーORINAS通信 2022年10月号よりー

室内での熱中症対策

今年は7月上旬の早い梅雨明けの後35度近い猛暑に見舞われました。
先日テレビで、室内でエアコンを点けていても熱中症になるリスクがあると言っていました。
その原因は何かというと輻射(ふくしゃ)熱です。
空気を介さなくても直接届く熱のことです。
わかりやすいのは太陽光です、真空の宇宙を飛んで地球に熱を伝えます。

輻射熱と違う伝わり方をするのが伝導熱です。
例えばエアコン、空気を介して私たちに熱を伝えます。
熱の伝わり方に二種類ある点を意識しておいて下さい。

夏の炎天下、車の中で昼寝をしたとします。
もちろんエアコンはがんがんかけています。
いくらエアコンで車内の温度は下がっても気持ちよく寝れないですね。
これは輻射熱としての太陽光のせいです。
そこで車を木陰に移動させるとどうでしょう。
太陽光を遮ることで一気に車内は心地よくなります。

住まいに置き換えると断熱性の低い建物は程度の差こそあれ炎天下の自動車です。
エアコンをかけても熱は体に伝わって熱中症のリスクは高まります。
窓や屋根・壁の断熱性を高めることは車を木陰に移動したのと同じ効果になり、エアコンの効きが良くなったと実感できます。
これが健康を守り、電気代も節約し電力供給の危機も解決する方法です。

ーORINAS通信 2022年9月号よりー

どこに住むか

このコラムを書いているのは6月の半ばですが私はこの季節の緑が一番好きです。
雨に濡れた新緑は少し明るい色でみずみずしさを感じさせてくれます。

先日、今年入社した松田君との話。
「自分が兵庫県三田市出身ですと言ったら、100%のお客様から何でこんなとこへ来たんといわれるんですよ」とのこと。
大阪を通り越して有田まで来てしまった松田君はよっぽど変わり者に見えるのでしょう。しかし、本人はいたって普通にこちらでの生活を楽しんでいます。
バイクでのツーリングが楽しみだそうです。

このギャップは何なんでしょう。
都会の人は週末あわただしく和歌山を訪れて老後はこんなところでゆったりしたいなぁと憧れてくれます。
しかし、和歌山の人はさほど変わらない日常に飽き飽きしています。
お互い無い物ねだりです。
住んでいる町を他所から来た目で見直してみるとまた良いところが再発見できると思います。

そういえば、昨年入社してくれた同じく兵庫県出身の山田君は釣りが好きでこっちへ来たと言っていました。

ーORINAS通信 2022年8月号よりー